税理士や社労士には独占業務があります。日頃から接する機会も多く、経営者の皆様にはなじみが深いのではないでしょうか。一方、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格である中小企業診断士には独占業務がありません。これは特定の業務に特化したスペシャリストではなく、経営資源や企業を取り巻く環境を総合的に捉え、状況に応じた適切な戦略をアドバイスするジェネラリストであるためだと私は解釈しております。2011年の中小企業白書には「中小企業経営者の7割は税理士・会計士へ経営に関する相談をしている」と記されています。2019年現在においても残念ながら中小企業診断士は中小企業経営者の皆様へ広く認知されている状態にはなっておりません。
私は中小企業の経営状況を診断、アドバイスするという仕事に従事しておりますので、多くの中小企業経営者と面談し、財務諸表を拝見させていただいております。ほとんどの経営者は税理士と顧問契約を結び、税務書類の作成などを依頼しております。その流れで経営に関する悩み事を税理士に相談することが多いようです。しかし、税理士は税務に関するスペシャリストですが、経営に関しては専門家ではありません。(もちろん、経営に関する知識を持ち合わせ、中長期的な視点での経営アドバイスができる税理士の方もいらっしゃいます。)
社長の描く経営理念やビジョンを共有し、中長期的な戦略を立てることは容易ではありません。中小企業の経営者は日常の業務に追われ、必要と認識しつつも中長期的な視点による経営戦略の検討に着手できていないケースが散見されます。しかし企業を取り巻く経営環境は目まぐるしく変化しています。働き方改革への対応、ソサエティ5.0社会の到来など市場は急激な変化を遂げVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代へ突入したといわれております。古典的な戦略フレームワークに頼った経営戦略策定アプローチだけでは他社との差別化を図る有効な打ち手を見つけることは難しいのです。
企業内診断士フォーラム(KSF)には約100人の中小企業診断士が所属し、中小企業の発展のために尽力しております。中小企業診断士は経営に関する知識は折り紙付きですが、さらにそれぞれ独自の専門分野を持っております。AI・IoTの専門家、ビジョン策定・浸透の専門家、組織人事の専門家、新規事業創出の専門家、とにかく多くの販路を持つ営業のスペシャリスト、など多岐にわたります。
このサイトをご覧になられました経営者の皆様、一度中小企業診断士と面談してみませんか。お困り事やご要望の内容、業種などに応じて最適な中小企業診断士が相談にのります。
私は中小企業診断士が多くの中小企業経営者の伴走者として役立ち、感謝されることを目指しております。そして結果として中小企業診断士のステイタスが向上すればこれ以上の喜びはありません。
中小企業診断士 山口大樹