1.はじめに
日々、健やかな生活をおくるには定期的に健康診断を受け、自分の今の状況を知り運動をすることが大切です。
今回は、企業の健康診断ツールであるローカルベンチマークをご紹介いたします。
同ツールにより、「財務分析」と「非財務面」の観点から企業の健康診断をおこない、経営状態や経営に活かすことのできる強みを把握することができます。
「経営の調子を客観的に考えてみたい。」とお考えの企業経営者の皆様、ローカルベンチマークを業績向上のために活用してみてはいかがでしょうか。
2.ローカルベンチマークの内容
(1)特徴
経済産業省が提供・推奨しているエクセルシートです。
シートに記入することにより、企業の強みを見える化しながら将来像を描き、課題とアクションを明確化することができます。
政府の各種施策と連携しており、補助金等の申請にも活用されています。
(2)シートの内容
「業務フロー・商流」・「4つの視点」・「財務分析」の3つのシートで構成されています。
「業務フロー・商流」と「4つの視点」を記入することにより、企業の見えない強みに気づき、経営に活かすことができます。
また、「財務分析」では、主要な財務指標を記入することにより、業種基準値と比較することができます。
①業務フロー・商流
製品・製造・サービスを提供する流れを整理し、業務に関する差別化のポイントや得意先・エンドユーザーに選ばれている理由等を記入します。
業務の流れごとに差別化のポイントを記入することで、自社の強みがどこにあるのか気づきやすくなります。
②4つの視点
経営全体を「経営者」・「事業」・「企業を取り巻く環境・関係者」・「内部管理体制」の4つの視点から整理します。
内容の総括として、現状認識と将来目標を記入することにより、現状と目標のギャップをふまえ、対応する課題と対応策を考えるきっかけとなります。
③財務分析
決算書情報を入力して財務情報を「売上持続性」・「収益性」・「生産性」・「健全性」・「効率性」・「安全性」の6つの観点で分析します。
結果は、レーダーチャートで視覚的に確認することができます。
(3)具体的な活用事例
経済産業省のWebサイトでは、ローカルベンチマーク活用に関する様々な事例が紹介されています。
・経営状態を把握したうえで、経営課題を解決するためのIT導入を実施し、生産性を向上した事例
・早期経営改善計画を作成することで、数字の羅列だけではない地に足のついた内容となり、金融機関へ説明することで事業性を理解してもらえた事例
(4)参照先
経済産業省や中小企業庁のWebサイトでは、詳しい内容や活用事例等が掲載されています。以下をご参照願います。
ローカルベンチマーク(通称:ロカベン) (METI/経済産業省)
マンガでわかる「ローカルベンチマーク」 | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
3.おわりに
ローカルベンチマークの記入や、次のアクションに向けた活用については、自社内でおこなうことは可能ですが、第三者の支援機関等に相談しながら実施することにより、より客観的な目線で効果の高い取組みが図れるものと考えます。
私ども、KSFに所属している中小企業診断士は、様々な企業に所属しながら企業の皆様への診断・助言・支援の活動をおこなっております。
所属企業の業務から習得したノウハウをふまえて、今回ご紹介したローカルベンチマークの記入方法や、次のアクションに向けた活用方法等もご提案することができます。
ご興味をお持ちいただきました企業の皆様、KSFにご照会いただきたくご検討願います。
中小企業診断士 柏原 理正