中小企業診断士のビジネスユニット KSF

第10話 中小企業のためのIT診断士活用法

■中小企業にもIT化の波は押し寄せている!

 インターネットやスマートフォンの普及により、WebサイトやSNSなどを用いて、誰もが簡単に情報収集や情報発信を行えるようになりました。また、インターネット上で商品やサービスを購入したり決済を行ったりすることも、ごく当たり前の手段になってきました。

 最近では「○○Pay」といった、スマートフォンをかざすだけで支払いができる新しい決済サービスや、Airbnb(民泊)/UBER(配車サービス)/メルカリ(フリマ)といった、インターネット上でいろいろなモノのやり取りができる、新しい形のITサービスも誕生しています。

 中小企業においても、これらのITサービスをニュースで見かけて、気になっている方も多いことでしょう。早く導入しないと取り残されるかもしれない、という不安を持っている方もいるかもしれません。しかし、このようなITサービスが溢れている昨今、サービスを適切に活用するためには、焦らず落ち着いて自社のビジネスと照らし合わせ、「そもそも何のために使うのか」といった導入の目的を整理するところから始める必要があります。

■IT診断士とは?

 中小企業診断士の資格保有者のうち、システム構築やITサービス提供を生業とする企業に勤務していたり、企業のIT部門に所属して自社のためにIT化を推進する役割を担っていたりするなど、ITの取り扱いを得意とする人たちのことを、IT診断士(もしくはITコンサルタント)と呼んでいます。

 中小企業診断士には、金融・生産・販売など様々な専門分野を持つ人たちがいますが、IT診断士は経営とITの両方の知識を有し、中小企業の経営課題を解決するために、ITを有効活用することができる中小企業診断士です。

■IT診断士はこのようなことができます!

 企業内診断士フォーラム(KSF)には、IT診断士が何名も所属しています。各メンバーは、所属するIT企業において顧客や自社のIT構築にたずさわり、知識・経験の蓄積や研鑽に努めています。

 ITの仕事として一般的にイメージされる、パソコンに向かってプログラムを作ったり設計書を書いたりする仕事だけではなく、顧客企業のビジネス(業務やプロセスなど)と照らし合わせて最適なIT構築方法を提案したり、時には顧客企業のビジネスそのものを、より良い方法に改善することを提案する、といった活動も行っています。

 中小企業では、大企業のようなシステム部門を設置したり、ITを専門とする人材を雇用したりすることは、なかなか難しいことです。そのため、経営者が何かをやりたいと思い立っても、どのようなITサービスを選べばよいのか、何から手を付ければよいのか、戸惑うことが多いかと思います。

 そのようなときにIT診断士は、経営者の皆さんが困っていることを整理し、どのような方法で解決するか、ということを示すことができます。

■IT診断士の支援内容

 例えば「自社の商品やサービスを宣伝するためにWebサイトを活用したい」といったことを考えたとき、誰に向けてどのように宣伝したいのか、どのような構成・デザインにするか、どのようなツールを使うか、どのプロバイダと契約するかなど、検討しなければならないことがたくさんあります。

 そもそも、Webサイトを活用した結果、売上や利益を増やすことができないと意味がありません。このようなとき、IT診断士は以下のようなことを支援します。

①経営戦略や事業戦略を考える

 まずは企業理念や企業の価値観と照らし合わせて、ビジネスの課題を整理します。IT導入を失敗して宝の持ち腐れにしてしまうケースは、大抵がこの整理が疎かになっていることが原因です。

 IT診断士は、ITを導入することを第一に考えるのではなく、まずはビジネスの課題を経営者と一緒に整理し、どうやったら解決できるかということを考えます。

②ITの導入戦略を考える

 ①の解決方法を考えるなかで「ITを適用したほうがよい」と判断したら、その部分に、どのような形でITを活用すればよいか、いつまでに何を達成すれば良いか(売上・利益や顧客満足度など)といった戦略を考えます。

 ITの活用手法には、情報の蓄積・共有、作業の高速化、情報の組合せによる新たな価値の創造など、様々なものがあります。そして、それぞれの活用手法にメリットとデメリットがあるため、IT診断士の知識と経験を活かすことによって、最適な戦略策定を実現することができます。

 一方で、IT導入の費用対効果を見極めて、「ここはITに寄らない方法で解決しましょう」と提案することができるのも、IT診断士ならではのことです。ITのメリットとデメリットを熟知しているからこそ、何でもかんでもITに頼らない、という判断をすることができるのです。

③IT商品やITサービスを選定する

 パソコン・タブレット・ネットワーク機器などのハードウェア、パソコン上で利用するソフトウェア、インターネットプロバイダ、システム構築をサポートしてもらうIT業者など、たくさんある商品やサービスの中から、何をどのような基準で選んだら良いか悩むことは多々あるかと思います。

 IT診断士は、IT商品やITサービスを売り込む側の目線ではなく、利用者である中小企業の立場に立って、課題を解決するために本当に必要なIT商品やITサービスの選定をサポートします。

④IT商品やITサービスを導入する

 IT商品やITサービスを選定・購入したら、まずは初期設定を行い「使える」状態に仕立てあげる必要があります。

 また、新しい仕組みを利用する社員に操作方法を教えたり、新しい業務のやり方に切り替えるための準備を行ったりする必要もあります。IT導入を失敗してしまうもう一つのケースは、この仕立てが疎かになっていることが原因です。

 IT診断士はIT導入における様々な作業や準備の必要性を認識しているので、利用者に合わせて必要なサポートをすることができます。

⑤達成度を評価する

 使い始めてしばらく経ったときに、導入したITをきちんと使いこなせているかどうか確認し、うまく使えていないところがあれば改善策を施します。例えば、操作に慣れないようであれば習熟の機会を繰り返し設けたり、期待したデータがうまく収集できていないようであれば、収集方法や収集手順の見直しを行ったりします。

 さらに全体的な評価として、売上利益や顧客満足度など、IT導入戦略において定めた達成目標と照らし合わせて、実績の評価を行います。そこで課題があれば、また次の戦略に向けて、準備を進めていきます。

■まずはご相談を!

 ITは便利なツールです。最近ではコストも下がり、操作もわかりやすくなってきたので、利用するためのハードルも下がり、費用対効果も上げやすくなってきました。とはいえ、正しく有効的に使わなければ、宝の持ち腐れになりかねません。

 そうならないためにも、中小企業の経営とITを考える「IT診断士」に、ぜひご相談ください。

中小企業診断士
稲葉 寛

ハイブリッド・コンサルタントをご活用下さい。

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